歯(は)を失っ(うしなっ)てしまった時(とき)、インプラントという人工(じんこう)歯根(しこん)に人工(じんこう)歯(は)を頑丈(がんじょう)に固定(こてい)し、自然(しぜん)な歯(は)により近づける(ちかづける)ことのできるインプラント。このインプラントという言葉(ことば)、最近(さいきん)になってテレビや雑誌(ざっし)の話題(わだい)にもよくあがり、耳(みみ)にするようになりましたが、実は(じつは)インプラントの歴史(れきし)は古代(こだい)にまでさかのぼるのです。現在(げんざい)、人類(じんるい)の歴史上(れきしじょう)最も(もっとも)古い(ふるい)とされるインプラントは、紀元前(きげんぜん)550年頃(ねんごろ)にトルコで発見(はっけん)された石製(いしせい)のインプラントです。ただ、このインプラントは儀式(ぎしき)などの為(ため)だけに使わ(つかわ)れていた可能性(かのうせい)が高い(たかい)といわれています。またインカ帝国(ていこく)では、歯(は)が抜け(ぬけ)た箇所(かしょ)にエメラルドの歯根(しこん)が植え(うえ)られているミイラも発見(はっけん)されています。この他(このほか)エジプトや中国(ちゅうごく)でも象牙(ぞうげ)の歯(は)が植え(うえ)られていた人骨(じんこつ)が発見(はっけん)されています。ただこれらのインプラントは、実際(じっさい)に歯(は)の代用(だいよう)として使わ(つかわ)れていたのは疑問(ぎもん)で、死者(ししゃ)への装飾(そうしょく)や副葬品(ふくそうひん)、儀式(ぎしき)などの為(ため)だけに使わ(つかわ)れていたという説(せつ)もあります。紀元(きげん)600年頃(ねんごろ)にメキシコ南東部(なんとうぶ)で栄え(さかえ)た古代(こだい)マヤ文明(まやぶんめい)に、下顎骨(かがっこつ)に天然(てんねん)の抜去(ぬきさ)歯(は)2本(ほん)と真珠貝(しんじゅがい)でできたインプラントが埋(うま)入(いれ)されているものが発掘(はっくつ)されています。歯石(しせき)がついている事(こと)から、長期(ちょうき)にわたって機能(きのう)した事(こと)を示し(しめし)ており、これが現在(げんざい)発見(はっけん)されている中(なか)で、実用(じつよう)に耐え(たえ)た最古(さいこ)のインプラントだと考え(かんがえ)られています。この他にも(ほかにも)、インカ文明(ぶんめい)やアステカ文明(ぶんめい)でも古代(こだい)インプラントが遺跡(いせき)として発見(はっけん)されています。このように失っ(うしなっ)た歯(は)を取り戻し(とりもどし)機能(きのう)させることは、古代(こだい)から現在(げんざい)に至る(いたる)人類(じんるい)の大きな(おおきな)変わら(かわら)ない願い(ねがい)であるのですね。
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